現地コラム
COLUMN
石垣島で観られるサンゴ5選!石垣島在住スタッフが徹底解説します!
みなさんこんにちは!
石垣島といえば青い空、白いビーチ、そして透明度の高いエメラルドグリーンの海。
そんな美しい石垣島の海にはサンゴ礁が豊富に群生しており、シュノーケリングやダイビングなどマリンアクティビティを楽しむのにも海洋生態系的にもとても大切な存在です。
本記事ではそんな石垣島のサンゴ礁についてご紹介いたします。
目次
石垣島のサンゴ礁の特徴・おすすめの理由
石垣島の海はカラフルなサンゴが群生をなすことが知られており、多くの種類のサンゴ礁が分布しています。
中でも有名なのは白保エリアで見ることができるアオサンゴではないでしょうか。
サンゴといえばピンクや赤をイメージしますが、アオサンゴとはききなじみないですね。アオサンゴは骨格に鉄成
水分を豊富に含んでいるため、他の種よりも青っぽく見えます。そのため、アオサンゴと呼ばれております。
石垣島にはいろんな種類のサンゴがありますが、アオサンゴはその特徴からとても異質に感じます。そんなバラエティ豊富なサンゴを堪能できるのは石垣島だからそこです。石垣島に足を運ばれた際には、ぜひダイビング・シュノーケルを考えてみてください。
石垣島のサンゴ礁の種類
冒頭でもご紹介した通り、石垣島には豊富なサンゴが分布しています。その数数百種類といわれています。
そんな中からいくつか石垣木まで見ることができる代表的なサンゴをいくつかご紹介いたします。
石垣島のサンゴ①「ハマサンゴ」
はじめにご紹介するサンゴは”ハマサンゴ“です。
ハマサンゴはイシサンゴ目ハマサンゴ科の仲間であり、水深数mのサンゴ礁の縁部や斜面に生息するサンゴです。
群体は枝状の半球形であり、枝の先端にいくほど滑らかです。また、褐色、黄褐色、緑色、青色といった色彩豊かなのも特徴です。
直径は約1.5mmの円形の個体をしており、日中でもポリプは開くことが知られています。
石垣島のサンゴ「アオサンゴ」
次いで先ほどご紹介しましたアオサンゴです。
アオサンゴは八放サンゴの仲間であり、ポリプが凝集し大きくかたい群体をなしサンゴ礁を形成します。
群体のように複数集まると褐色にみえますが、ポリプがある内部骨格は青いこまから”アオサンゴ“とよばれています。
アオサンゴの広大な群落は白保海岸で見かけられ、これは世界的に非常に貴重なものとして有名です。
石垣島のサンゴ②「ハナガササンゴ」
続いてご紹介サンゴはハナガササンゴです。
ハナガササンゴは淡水クラゲ目ハナガサクラゲ科の仲間まであり、海藻の隙間や岩の上などに生息します。
傘は直径4cm~5cmの半球状であり、口柄は赤褐色です。蓋触手は基部が紅色でで末端は紫色といった全体的に色鮮やかで美しいサンゴです。
ただしら傘の縁から生じる8本の縁触手と蓋触手に刺されると激しい痛みを伴うので近づくことは必ず避けてください。小魚などを捕食するように見た目とは反して獰猛な種なんです。
石垣島のサンゴ③「ミドリイシ」
ミドリイシはイシサンゴ目ミドリイシ科に属するサンゴです。
いわゆる典型的な造礁サンゴであり、強固な石灰質の群体を形成し、平らに広がる基盤から多数の枝が分岐して集まっています。
褐虫藻と共生しているため、褐色や淡紅色、淡青色などの色を呈しています。
非常に頑丈であり、環境適応も他の種に比べて高いため観賞用に利用されることも多いです。
石垣島のサンゴ④「アザミサンゴ」
アザミサンゴはイシサンゴ目ビワガライシ科の仲間であり、枝は円筒状やらっぱ状に分岐しており、塊状の群体をつくります。
直径は8mm程度であり、静かな入江などに多く分布しています。職種は透明な緑色をしています。
石垣島のサンゴ⑤「キクメイシ」
キクメイシはイシサンゴ目キクメイシ科の仲間であり、ミドリイシ同様に代表的な造礁サンゴです。
塊状もしく半球状の群体をつくり、数十cm〜数mのものまであります。莢は表面よりわずかに突出しているため隣接する莢同士で隙間ができます。
個虫の分裂により群体がなし、捕食の際には夜間にポリプの触手を伸ばすことでプランクトンを捕え食べることが知られています。
石垣島のダイビングスポット4選
サンゴ礁が豊富な石垣島の海こそダイビングにうってつけですね。
他にもウミガメやマンタと遭遇することができるポイントも多く、数十個のダイビングスポットがあるといわれています。
その中から一部抜粋してダイビングスポットをご紹介いたします。
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石垣島のダイビングスポット①「大崎ミノカサゴ宮殿」
はじめにご紹介するスポットは”大崎ミノカサゴ宮殿“です。
サンゴ礁鑑賞ももちろんできるのですが、ここでおすすめなのは多くのフィッシュウォッチングができる点です。
スポット名にますもなっている通り、ミノカサゴは気持ちよさそうに泳いでいる姿をみかけられますが、他にもニチリンダテハゼやジョーフィッシュ、チンアナゴ、ヒレナガネジリンボウはなどの様々な魚たちを観察することができます。
流れもほとんどないスポットのため、初心者から上級ダイバーの方までおすすめのスポットです!
石垣島のダイビングスポット②「伊土名ドーム」
次いでご紹介するのは”伊土名ドーム“です。
伊土名ドームは石垣島北部に位置する吹き抜ける太陽光が美しいダイビングスポットです。
水深12mの入り口からL 字型の洞窟の中を進んでいくと、天井から太陽光が降り注ぎ洞窟内を青く照らす非常に美しく神秘的な光景です。
また、洞窟内にはサンゴ畑が広がっており、伊勢海老や魚たちが生息しています。コブシメが産卵する場所のため春先に訪れるのもいいですね。
こちらのスポットも大崎ミノカサゴ宮殿と同様に流れが少ないスポットのため初心者も楽しむことができます。
石垣島のダイビングスポット③「名倉コーラルガーデン」
名倉コーラルガーデンは名前の通り、美しいサンゴが残るスポットです。
名蔵湾にあるこのスポットは、環境の良さからか色鮮やかなサンゴが美しい状態のまま残っています。
サンゴの状態が良いため、スズメダイやアカメハゼなどの生き物も元気よく生息しています。また、サンゴの種類も豊富にあります。
複数種類が同じ場所に群生をなすことは少ないためとても貴重な海域といえるでしょう。
石垣島のダイビングスポット④「石崎マンタスクランブル」
最後にご紹介するスポットは”石崎マンタスクランブル“です。
サンゴが美しく、珍しい種も多く自生することが知られる石崎マンタスクランブル。
最大の特徴はマンタの遭遇率世界一である点です。スポット名にもなるほどで非常に高頻度で出会うことができます!
マンタ以外にもウミガメやイソマグロ、キンチャクガニ、ミカヅキツバメウオといった珍しい生き物が盛り沢山のダイビングスポットです。
石垣島の白化現象とは
サンゴの白化現象という言葉は一度は聞いたことはあるのではないでしょうか。
サンゴは色鮮やかな色素体を持つ褐虫藻という藻類と共生することで生きており、藻類持つ色素体によりサンゴの色が鮮やかに見えています。
共生する藻類が死滅してしまうと、同時にサンゴも死んでしまい、藻類の色が抜け真っ白な殻だけの状態になる”白化現象“が引き起こります。
この白化現象は世界各地で起こっていることは知られていましたが、近年世界屈指のサンゴ礁帯を持つ沖縄各地でもこの現象が確認されるようになりました。
主な原因として、海水温の異常上昇によるサンゴ体内の共生藻類の死滅が挙げられています。
白化してしまったサンゴはしばらくは生きてあることができますが、白化の状態長期に渡るとサンゴは死んでしまいます。
また、海水温を下げれば徐々に回復はしますが、短期間で回復は見込めないため根気強く対策を練る必要があります。
白化の主な原因は水温の上昇ではありますが、海に流れ込む赤土や生活排水による海水汚染なども、その原因のひとつとされています。そのため、市民一人一人が意識してサンゴの保護へと努めていく必要があるのです。
WWFサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」の取り組み
上でも紹介した通り、石垣島の白保の海には世界最大級のアオサンゴの大群落がある貴重な海域です。
そこでWWFジャパンは白保の環境保全を促進すべく、サンゴ礁調査や保全活動を行う”しらほサンゴ村“を設立しました。
白保の海には120種以上のサンゴと300種以上の魚が生息している、学術的な観点から見ても非常に貴重な海であることがわかります。
この美しく貴重な自然を、しっかり自然のままの状態で次の世代へ繋いでいくために地域の人々ぐるみで保全活動を進めています。
環境省によるサンゴ礁の被害調査
この非常事態に環境省もまたサンゴ礁の被害調査に出ています。
対象は国内最大のサンゴ帯である”石西礁湖“です。
35地点の観測ポイントを設け、年に2回の調査を行ったところ、そのうち97%もの高い割合で白化現象が確認されました。
石西礁湖だけでなく、世界最大のサンゴ帯”グレートバリアリーフ”にて2,000kmもの海域のサンゴに大規模な白化現象が確認されたとあり、世界的な大問題となっています。
白保海岸のサンゴ状況
WWFジャパンが発足した”しらほサンゴ村”が2010年から調査、保護活動を始めた状態から2018年の調査の結果を見ると、サンゴの被度が6.26%かは11.2%へと僅かながら改善がみられました。
海水温による白化を受けたものの多くは死滅してしまいましたが、生き残った個体は少しずつ増殖を重ね何とかしのんでいました。
海水温の上昇を止めるには地球温暖化など様々な課題が山積みではありますが、まずは生活排水や赤土などが海に流れ込まないように、目の前のことから対策していく必要がありそうです。
サンゴの移植について
近年、白化の影響が著しくなっていたこともありサンゴの養殖・移植も視野に入れられています。
まだ試験的ではありますが、観光客や小学生などを対象にした環境教育体験プログラムとして、移植実験が実施されました。
八重山漁協観賞用漁業部会サンゴ養殖研究班が養殖した苗を基に移植が行われました。
海を仕事の場、生活の場としている観光事業者と漁業者が一緒に海の環境を良くしていくことができればと未来を見据えながら、期待に胸を膨らませています。
サンゴ基金
白化現象が著しい”石西礁湖“のサンゴ礁を高水温による白化、オニヒトデの大量発生、赤土流出や水質汚濁などの影響から救い出すために立ち上げられた基金です。
正式名称は石西礁湖サンゴ礁基金であり、本来の石西礁湖のサンゴ礁の姿を取り戻すために石西礁湖自然再生協議会により設立された基金です。
集められたお金は、サトウキビ畑からの赤土流出を抑えるために”夏植え“から”株出し“への農法転換を推進するための資金や地域住民が自らサンゴの健康状態をチェックするコーラルウォッチプロジェクトのために利用されています。
さらなる支援により、赤土流出防止や生活排水対策といった影響の軽減を図るプロジェクトへ尽力していく予定です。
石西礁湖サンゴ礁基金に関するホームページやゆうちょ銀行振替口座についてもご紹介しておきますので、ぜひご支援ください。
石垣島のサンゴ礁を守るための注意点
石垣島のサンゴ礁を守るために地域住民の方にとって生活排水や赤土の問題など取り組むべき点について触れてきました。
これは地域住民の方だけでなく、海を利用しているすべての方が意識して取り組むべき課題と言えます。
観光客の方にも注意すべき点はいくつかあります。
シュノーケルやダイビングなどのレジャーの際にリーフに触れたり、当たって破壊してしまうことがあります。非常な貴重なサンゴです。決して触れないようにしましょう。
シュノーケルやダイビングを本来やってはいけない禁止エリアでやられる方を見かけることもあります。あまりレジャーに使用されないスポットだと地形の把握も難しく、サンゴと衝突することもあります。
また、そういった方を漁船が避けて漁をしなければならなくなりアンカーがサンゴを傷つけるというケースも考えられます。
さらに沖縄県内では漁業者以外の発射装置の付いた水中銃の使用は禁止されていますが、こちらについてもルールを破り魚を捕獲する方がいらっしゃいます。それによりサンゴが傷付けられる以前に密猟になってしまうので行わないようにしましょう。
海を利用される一人ひとりの心がけで美しいサンゴが再生され、みなさんも美しい海でのレジャーを楽しむことができるので、必ずサンゴに配慮した行動を心がけるようにしましょう。
おわりに
石垣島のサンゴ礁についてご紹介いたしました。いかがだったでしょうか。
サンゴにもいろいろな種類がある点、サンゴを見ることができるスポットなど魅力あるポイントがたくさんあったのではないでしょうか。
一方で、環境破壊によるサンゴの白化現象が起きており、現在世界各国のサンゴが窮地にあることがわかりましたね。
私たちの一つ一つの心がけが素敵なサンゴを救うことについてもご説明いたしました。
その点についても今一度考えサンゴにとってより良い行動を取り、再生した美しいサンゴの周りで楽しいマリンレジャーを過ごしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。