現地コラム

COLUMN

石垣島の年中行事

2020-02-25 05:07
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島に根付く旧暦の行事 

 

石垣島の年中行事には旧暦に従って行われているものが多くあります。

 

現在でも民俗的な祭事が数多く残っていますが、ここでは主なものをご紹介しましょう。

 

旧暦1月16日 十六日祭 

 

お盆は家にご先祖様をお迎えする行事ですが、旧暦1月16日お墓に子孫が出向く行事です。

 

家族親戚が様々な料理を持ち寄ってお墓に集い、揃って手を合わせた後にピクニック団欒することでご先祖様を供養します。

 

沖縄のお墓が大きくてのようなスペースがあるのも、この十六日祭習わしを知ると納得です。

 

旧暦5月4日 海神祭・ハーリー

 

八重山でユッカヌヒーと言われる旧暦5月4日は、今年一年の豊漁航海安全を祈念する海神祭です。

 

もともとは漁師たちの行事でしたが、海神に奉納する爬龍船競漕(ハーリー)には近年では漁師以外の方も参加できるようになり、今では地域の一大イベントになりました。

 

ハーリーとは、サバニと呼ばれる手漕ぎ船を、古式ハーリーの衣装に身を包んだ海人たちが勇壮に漕ぎ競う競技です。

 

御願ハーリー、転覆ハーリー、上がりハーリーの三競技海神に奉納します。

 

石垣市爬龍船競漕大会は、中・西組合同、東1組、東2組の3チームに分かれて競い合います。

 

さらに海人でなくても参加できる競技として、職場や仲間でグループを作り公募で集まった有志による職域ハーリー、女性グループだけで競われるマドンナハーリーも加わって、地元の方だけではなく観光客も一緒に大いに盛り上がる催しになっています。

 

また、石垣市爬龍船競漕大会以外にも、白保ハーリー、船越ハーリーが開催されますが、船越ハーリーには独特の爬龍船競漕があります。

 

船越地区は石垣島北部の地図で一番くびれた部分で、この集落の漁師は昔から東の太平洋側と西の東シナ海側両方の海に出てをします。

 

東から西に船を移動させる場合、船を漕いで平久保半島をぐるりと回るより、船を担いで反対側の岸に向かう方が早いということから、船越地区という名前が付いたと言われています。

 

この模様爬龍船競漕に組み入れて、実際に船を担いで走る競技、それが船越(フナクヤー)ハーリーです。

 

旧暦6~7月 豊年祭(プーリィ)

 

豊年祭という名前だけを見ると、収穫祭やフェスティバルのようなイメージを持たれる方も多いと思いますが、この行事は沖縄で古くより大切にされてきた伝統的神事です。

 

石垣島を始めとした八重山の各所で御嶽(ウタキ)と呼ばれる祠(場所によっては祠の形をしていないこともあります)が見られますが、島民にとって御嶽は地域の守り神である鎮守様のような存在で、豊年祭では周辺集落の民が地域の御嶽に集って、五穀豊穣の感謝と来夏世(クナツユ)の豊作を祈願、集落の旗頭や民族舞踊の奉納の他、集落によっても様々な特徴のある祭事を行います。

 

川平集落では、魔除けであるピッチュル石担ぎという独特の祭事があります。

 

白保集落では、大きな白いお面のミルク神(弥勒菩薩)の行列が登場します。

 

平得・真栄里集落では、鎌と槍による武術を模した民俗舞踊ツナヌミンを見ることができます。

 

その他にも、八重山独特の獅子舞を見られる集落もあります。

 

最近では観光客の見物が許される集落も増えてきましたが、写真や動画の撮影が禁じられていたり、フラッシュ撮影が禁止されている場合もありますので、撮影の際には事前に確認しましょう。

 

沖縄本島とはまた違う八重山独特の貴重な民俗芸能をぜひ見学していただきたいです。

 

御嶽にある塀や囲いには誰でも近寄ることができますが、島民であってもむやみに立ち入らない神聖な場所となっています。

 

近年ではパワースポットとして観光客が訪れる機会も増えていますが、豊年祭の時期に限らず、島民にならって祠には必要以上に近づかず、長居も避けるのが賢明でしょう。

 

旧暦7月13~15日 旧盆(ソーロン)

 

八重山のお盆はやはり旧歴で行われます。

 

島外に出ている島民でも旧盆には必ず帰省するという方が多く、正月よりも優先されているようです。

 

正月でも営業している店舗や会社でさえ、旧盆の日には臨時休業にすることがあります。

 

旧盆が島の人々にとっていかに大切な行事であるかが分かります。

 

迎え盆である1日目をウンケー、2日目をナカヌヒー、送り盆である3日目をウークイと言います。

 

この3日間は親戚一同が本家に集まり、仏壇に手を合わせて郷土料理を食べてお酒を酌み交わし、家族団欒の時間をおおいに楽しみます。

 

また、旧盆には集落の青年会などによるアンガマーエイサー獅子舞が催されます。

 

アンガマー八重山独特の伝統芸能で、お盆にあの世からの使者であるウシュマイ(お爺)とンミー(お婆)がその子孫である花子たちを連れこの世に現れ、あの世の様子を語るという演目になっています。

 

アンガマーの一行は集落の家々をめぐり、花子たちの舞踊とウシュマイとンミーの珍問答でその家の先祖の霊を供養します。

 

珍問答は意味が分かればとんちが効いていて面白いものなのですが、古い八重山方言なのでなにを言っているのか説明されないとわからないことも多いです。

 

ウシュマイとンミーがつけている木のお面は、八重山の伝統工芸品にもなっています。

 

島音楽の祭典

 

毎年恒例の民俗芸能のイベントも多くありますが、島内外のアーティストによるライブも、カフェやホテルで数多く開催されています。

 

コンサートホールとなると1006席キャパの石垣市民会館大ホールが最大ですが、お祭り併催のライブでは新栄公園真栄里公園での野外ライブになることが多く、そのほとんどが無料で見ることができます。

 

7月上旬のオリオンビアフェスト、旧暦7月7日前後の南の島の星まつりウィークのメインイベント、11月最初の土日開催の石垣島まつりは毎年恒例になっています。

 

伝統芸能のライブとして最も大きく毎年恒例になっているのは、例年旧暦8月13日に行われるとぅばらーま大会です。

 

八重山民謡とぅばらーまを原曲の情景そのままに月明りの下で聴くことができます。

 

とぅばらーまは、歌詞を演者が自由にアレンジして唄うことができるのが特徴で、同じ曲でも演者によって表現が変わります。

 

優秀な歌詞と歌唱をした演者の方が表彰を受けます。

 

過去には石垣島出身アーティストの夏川りみさんも最優秀賞を受賞しています。

 

スポーツの島をめざして

 

年間を通して温暖な気候の石垣島では、プロアマ問わず多くのスポーツマンが訪れます。

 

年の初めに毎年開催されているスポーツイベントに、1月第4日曜日開催の石垣島マラソンがあります。

 

市民マラソン大会ですが、島外からの参加者も年々伸び続けています。

 

フル42.195キロ、23キロ、10キロの3種類のコースがあり、時間差でスタートします。

 

コース沿道には地域の住民もパーランクー(エイサーで使う民俗楽器の太鼓)などを持ち寄り、島内外から参加するランナーたちを応援します。

 

10キロコースでは毎年仮装するランナーや、職場や学校の仲間同士でユニフォームを揃えて走るランナーもいて、お祭りのようなムードを楽しむことができます。

 

日本最南端の八重山諸島では毎年3月に、石垣市・与那国町・竹富町の持ち回り開催で日本一早い海開きを行います。

 

2018年は石垣島真栄里ビーチ、2019年は与那国島久部良ナーマビーチ、2020年は3月14日に石垣島底地ビーチでの海開きが決定しています。

 

神司による海の安全祈願、開会宣言に続き、地元学生や有志による歌や踊りの披露、ミス八重山の発表など盛りだくさんなプログラムで地元の方も観光客も一緒に一足早い夏の到来を楽しみます。

 

この日を皮切りに、八重山の各海水浴場がオープンします。

 

4月には石垣島トライアスロン大会、6月にはダイビングフェスタ石垣島、12月上旬には八重山毎日駅伝競走大会も行われます。

 

マリンスポーツだけでなく、これからも様々なスポーツ事業を招致して、温暖で豊かな自然が残る石垣島で新しいスポーツイベントを興す取り組みが進んでいます。 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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