現地コラム
COLUMN
石垣島の住宅事情
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石垣島の住宅事情
移住する人や転勤などでこれから石垣島に住もうと思われている人たちにとって、最初に気になるのが住まいの確保です。
宅地を買って家を建てたり、建て売り住宅を購入したり、賃貸で家や部屋を借りたりするケースなど様々な選択肢があります。
そこで石垣島の住宅購入や賃貸住宅などの相場や物件の特徴などについて探ってみます。
本土や沖縄本島とは違う不動産屋
通常の部屋探しではネットで調べたり、不動産屋で物件情報を紹介してもらったりしますが、石垣島の不動産屋は本土とは様子が違います。
その理由としてはまず物件数が少ないことが挙げられます。
人口が約5万人という小規模な都市で以前から移住ブームが続いている石垣島ですが、急激な観光客増加の影響で観光施設やホテルの新築ブームが起きており、建物が不足している状況なんです。
建築作業員の宿舎の確保のため、少ない物件もすぐに埋まってしまいます。
築年数の古い物件はあまり人気がなく、築浅の物件では入居希望者がキャンセル待ちの状態が続いています。
不動産屋の数は少なくないのですが、看板は掲げているものの実質休業状態だったりする業者もあります。
さらに全国統一の物件情報システムが機能していない不動産屋が多いため、不動産屋ごとに扱っている物件が違うことは珍しくありません。
このため複数の不動産屋の物件を調べる必要があるでしょう。
さらに本土からの移住者には、物件情報をあまり出さないケースもあると聞きます。
そのため地元の人から仲のいい不動産屋を紹介してもらうのがベストでしょう。
賃貸物件の相場はどうなっているか
石垣島の賃貸物件の家賃は決して安くありません。
石垣島は離島のため家賃が安いというイメージがあるかもしれませんが、沖縄本島の那覇や本土の地方中核都市よりも高い値段設定になっています。
土地の値段も高く、築浅や新築の物件の場合はさらに値段が高くなります。
離島のため建築資材の輸送費が割高になりますし、建築作業員が少ないために島外から呼び寄せて住ませる必要があり、そのような経費も家賃に反映されているために、どうしても高い値段設定になっています。
家賃相場は、単身者で1Kから1L D Kまでの間取りで考えると、4万5000円〜5万5000円程になるでしょう。
夫婦2人だと、2D K・2L D Kで6万円〜7万円。
3D K・3L D K以上になると、8万円以上になります。
物件の特徴は
市街地から離れた場所の物件にはほとんど駐車場が付いていますが、市街地となると駐車場がない物件もたくさんあります。
ほとんどの建物は鉄筋コンクリートでできています。
これは頻繁に来る台風に備えたもので、全ての建物が頑丈な造りになっています。
そのため防音性もかなり良いです。
蒸し暑い気候のため部屋は風通し良く作られていることが多いです。
内部の設備で気になる点では、古い家にはバスタブがないところが多いです。
新築や築浅物件にはバスタブが付いているものが増えています。
以前は単身者用物件の数はかなり少なかったのですが、最近では増えているようです。
契約手続きについて
ようやく物件が決まりいざ契約となった段階で、直面するのは保証人探しです。
保証人は地元民に限定されていることが少なくありません。
さらに家賃保証会社との契約も求められることがあります。
この会社は借主が家賃を滞納した時、連帯保証人として貸主に家賃を立て替えて支払いをします。
このため借主はこの保証会社に一定の保証料を支払わなければなりません。
最近では本土の方でも保証人として認められることも多くなってきたようです。
石垣島で住宅購入の場合は
住宅購入を考える場合、本土では自らが土地を買い家を建てるケース、分譲マンション、建て売り、あるいは中古住宅の購入という選択肢がありますが、石垣島ではいずれも難しくなっています。
分譲マンションは数が限られており、建て売り、住宅販売も頻繁にはありません。
さらに中古住宅の販売物件も多くはありません。
赤瓦の古民家に憧れる方も多いと思いますが、そのような物件を手に入れるには常に中古物件情報を収集したり、地元の不動産情報に詳しい方に聞いてみたりしない限りはなかなか見つからないでしょう。
別荘地もありますが、既に販売済になっていることがほとんどで中古物件として出てくる可能性は低いでしょう。
仮住まい先として考えられるのは
石垣島での家探しは、賃貸、取得に関わらず、時間と手間がかかることを説明してきました。
ネットでの情報収集では限界がありますし、ホテルなどの宿泊施設に滞在して家探しをするのは費用がかかりすぎます。
一時的にマンスリーマンションや貸別荘を利用するという方法がいいかもしれません。
これでも費用がかかりすぎるという方は、格安民宿やドミトリー、ゲストハウスもありますので、これらをうまく利用するといいでしょう。
まとめ
石垣島の住宅事情について説明してきました。
想像以上に住宅を確保するのは難しい状況で、これからもこの状況は続いていくでしょう。
2018年に国際ダークスカイ協会によって西表石垣国立公園(石垣島北部と竹富町全域)は「星空保護区」として日本で初めて認定されました。
今後、石垣市や竹富町は、光害の影響のない暗く美しい夜空を保護・保存するために取り組みを始めていきます。
美しい星空を求めてさらに多くの観光客が訪れることが見込まれています。
これを見据えてホテルなど宿泊施設の建設ラッシュが続いています。
建設作業員の住宅施設確保のために石垣島の物件がどんどん埋まっていっている状態です。
石垣島への陸上自衛隊の配備も決まっており、新たに駐屯地の建設が始まるため、隊員とその家族の宿舎も建てられることになります。
その数は明確ではありませんが、1000人規模だと言われています。
いずれにしても住宅不足が解消するのは当分先のことになりそうです。