現地コラム

COLUMN

ヤシガニ

2020-02-10 08:16
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みなさんこんにちは!

 

突然ですが、みなさんはヤシガニをご存知でしょうか?

 

最近では石垣島ツアーの人気も上昇しており、ヤシガニを観察するツアーに参加したことがある方もいるのではないでしょうか?

 

またメディアや雑誌にも特集が組まれることもあるため、目にしたことがある方もいるかもしれませんね。 

 

本記事では、そんな石垣島の変わった生き物ヤシガニについてご紹介します。

 

ヤシガニとは

 

〈ヤシガニの写真〉

 

こちらはヤシガニの写真です!

 

エビのようなカニのような何とも形容し難い風貌をしたとても奇妙な生き物ですね。

 

頑丈そうな甲羅に、強靭なハサミ、そのロボットのような見た目はとてもかっこいいです。

 

背中の甲羅は鉄のように硬そうに見えますが、実はそれほど硬くはありません。

 

ハサミや脚はとても強固でその力で木を登れるほどですが、甲羅の方はソフトビニルのような手触りをしています。

 

見た目から海辺にいそうな感じがしますが、成長していくにつれて淡水にも海水にも行かなくなり、草木を掻き分けて陸地で過ごすことが多くなってくるんです。

 

計10本の脚を持ち、1番前と1番後ろの脚にはハサミを備えています。

 

前脚の強靭なハサミは威嚇、攻撃、食事の際に使用するのでしょう。

 

後ろの脚はヤシガニ得意の木登りをする際に使用すると考えて間違いないでしょう。

 

ヤシガニって何の仲間?

 

さてヤシガニは何の仲間なんでしょうか?

 

実はヤシガニは、エビ目ヤドカリ下目に属するヤドカリの仲間なんです。

 

陸に生息していることからも分かる通り、ヤドカリの中でもオカヤドカリの仲間になります。

 

〈系統図の写真〉

 

ヤシガニはヤドカリの中でも陸上に適応していったオカヤドカリの仲間の一種です。、

 

どんどん大きく進化する過程で貝殻を背負うことができなくなり、貝殻を捨てて甲羅をもつようになっていった変わりもののヤドカリなんです。

 

先ほどから話に出てくるオカヤドカリは、ヤシガニと同様に亜熱帯地域に生息しており、名前の通り陸上生活をするヤドカリの仲間です。

 

〈オカヤドカリの写真〉

 

ヤドカリ類の多くの腹部は柔らかく巻貝のように巻いている構造になっています。

 

一方ヤシガニは、背負っていた殻を捨ててしまい保護するものがないため、腹部の上半分を殻で覆い、お腹の下にたたみこむことで身を守っています。

 

陸上生活をするヤシガニもオカヤドカリもエラ呼吸をしています。

 

では、何故陸上でも生活ができるのでしょうか。

 

ヤシガニやオカヤドカリは、定期的に水辺に行ってエラを水で湿らせています。

 

湿らせたエラを空気に触れさせることで溶存酸素を体内に取り入み呼吸をしているんです。

 

この動作が陸上での呼吸を可能にし、陸上生活ができるようになっているんです。

 

ヤシガニの場合、陸上生活への適応が進んだ結果、えらが水で満たされすぎてしまうと十分な酸素が得られず、水の中に長時間いると溺れ死んでしまうようです。

 

なんでヤシガニって名前なの?

 

“ヤシガニ”という名前の由来は何でしょうか?

 

勘の良い方はお気づきかもしれません。

 

諸説ありますがヤシの木が由来であることが有力です。

 

ヤシガニはヤシの木に登り、ヤシの実を切り落として食べていると言われています。

 

この習性からヤシガニと呼ばれるようになったと言われています。

 

しかし、実はヤシガニがヤシの実を切り落として食べる光景を目撃されたことはないようです。

 

器用に脚を使用し木に登る習性と雑食性という特徴からこのようなイメージが伝承されてきたのではないかと思われます。

 

ヤシガニは、ココナッツの実を好んで食べる習性があります。

 

ただし、雑食の生き物なので動物性、植物性にかかわらず様々な物を食べるのです。

 

ヤシガニというよりは「雑食ガニ」の方が正しいかもしれません笑

 

ヤシガニの生息地

 

<ヤシガニの生息する森の写真>

 

ヤシガニは海岸から近い森に生息しています。

 

先ほどもご紹介した通り、ヤシガニは陸上で生活していますがエラ呼吸をするため、常にエラを濡らした状態にしておかなければなりません。

 

抱卵期には定期的にお腹に抱えている卵を定期的に海に濡らしに行く必要があります。

 

卵を海水に浸けた刺激で卵からヤシガニの幼生が孵化して、海の中へ放出されます。

 

幼生期を終えると、ほかのヤドカリ同様に貝殻をかぶり上陸します。

 

その後、成長する過程で貝殻を捨てるんです。

 

ヤシガニは危険!?

 

ヤシガニはロボットのようにとても大きくて堅そうな体をしています。

 

また、その強靭なはさみは危険に見えますね。

 

実際にヤシガニのはさみの力を計測したらライオンの力に匹敵するものだったそうです。

 

ご存知の通りライオンは肉食動物であり、動物の皮や肉を引き裂いて食べる程のあごの力の持ち主です。

 

ヤシガニのはさみに捕まると人間の指の骨などは簡単に砕けてしまいます。

 

そのため、挟まれないように注意しましょう!

 

<ヤシガニのはさみとライオンの写真>

 

実はヤシガニを食べると食中毒を起こすこともあるんです。

 

先ほどご紹介した通り、ヤシガニは雑食性であるためいろいろなものを食べます。

 

人間にとって毒性の物も食べてしまいます。

 

そういったものを食したヤシガニを食べてしまうと間接的に毒化することがあるので、十分に注意する必要があります。

 

ヤシガニって食べられるの?

 

それでは、ヤシガニは食べることができるのでしょうか。

 

答えは「YES」です。

 

食べることはできます。

 

先ほどご紹介した通り、ヤシガニ自体は毒を産生しませんが食べたものにより毒を蓄積することがあります。

 

その原因として、ハスノハギリという植物が挙げられます。

 

ハスノハギリを食べることにより毒を持つと言われています。

 

なので、ハスノハギリが植生しないエリアに生息するヤシガニは毒を持っていることがほとんどないようです。

 

また、ヤシガニを提供する食事処では毒持ちかどうかをしっかり確認しているので、食事処で食べると安心でしょう。

 

ただし、ヤシガニは希少性が高く夏場でも数量限定で提供しているお店が多く、他シーズンでは提供されないこともしばしばです。

 

食べられるサイズは500g程度からと言われていますが、そこまで育つのには雄で約10年以上、雌では約25年程度かかると考えられています。

 

捕獲自体禁止されている島もありますので、もし食べることができたらラッキーでしょう。

 

どうしても食べたいからといって捕獲禁止区域での捕獲だけは止めましょう。

 

さいごに

 

ヤシガニについてご紹介しました。

 

いかがだったでしょうか。

 

ヤシガニはロボットのような甲羅を持ち、頑丈なはさみがかっこよかったですね!

 

ヤシガニが生息する地域ではヤシガニを観察するツアーなども多くあるので、ぜひチェックしてみてください。

 

動きはそんなに俊敏ではありませんが、はさみの力はライオンのあごの力に匹敵するため決してはさみには近づかないようにしましょう。

 

また、希少生物のため捕獲などは絶対にせずにじっくりと観察を楽しみましょう。

 

おすすめのヤシガニ探検ツアーはこちら

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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