現地コラム
COLUMN
幻の島 浜島
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海に浮かぶビーチ
サンゴ礁の真ん中に一定の時間だけ現れる島、海と空と砂浜だけしかない無人島。
海が好きな人なら、それを聞くだけでワクワクしますよね。
石垣島から船で西に向かった先、竹富島と小浜島の間に幻の島があるんです。
引潮の時間にだけ砂の隆起が海面に現れ、島が出現します。それこそが幻の島と呼ばれる『浜島』です。
その時の風の強さ、風向き、潮の流れによって形が変わる、まさしく幻のような島です。
このようなビーチだけの島は、他にも与論島の百合が浜、久米島のはての浜がありますが、国内最大である石西礁湖のサンゴ礁から生まれた白砂のきめ細やかさはこの島にしかないものです。
どうやっていくの?
海の真ん中にぽっかりと現れる幻の島ですから、上陸するには船で向かうしかありません。
時間限定の無人島のため定期航路の船はありませんので、石垣島、竹富島、小浜島の現地マリンショップに申し込むのが確実なアクセス方法です。
石垣島からであればおよそ30分、竹富島・小浜島からであれば約10分程度で到着します。
潮の満干の時間帯が日によって異なるので、滞在できる時間も引潮の時間帯に左右されます。
詳しいガイド付きツアーであれば失敗なく適切な時間に案内してくれるので安心です。
予約する際にあらかじめ旅行の日程を伝え、相談の上で一番理想的な日程を調整しておくことで潮があまり引かずに島全体が水没していたという残念な事態を避けることができます。
より無人島感を味わいたいということで、同行する客が少ないツアーをあえて選ぶという手段もありますが、現地で他のツアーのお客様と被ってしまうことはあり得るので、そこは諦めるしかありません。
海はみんなのものですから。
幻の島の楽しみ方
幻の島では、上陸する前から海の色の変化を楽しめます。
船で島に近づく内に、濃紺だった海が急にエメラルドグリーンになり、そして明るいブルーに色を変えます。
白い砂浜しかない島ですが、なによりも他のビーチでは味わえない絶景を楽しめるのが、この島の醍醐味です。
ビーチの先端に立って、そこから水平線を眺めると、海と空の間に浮かんでいるような、不思議な感覚を味わえます。
海が凪いでいる日には、島影や空の雲が海面に映って、線対称の絵画のような景色が広がります。
海水は通年して透明度が高く、裸足で波打ち際の白砂を踏みしめれば、誰もが南国の開放感を満喫できることでしょう。
まれにカメが一休みするために浅瀬に姿を見せることもあります。見れればラッキーです。
もし幻の島の出現時間と日没がちょうど合うタイミングに訪れることができれば、刻々と赤く染まる空と海という、日中とは全く違う絶景を楽しむこともできます。
もしかするとグリーンフラッシュをより間近に見られるかもしれません。
時間の許す限りただそこに佇んでいたい、そう思える魅力がこの島にはあります。
この島ならではの風景は、訪れた観光客によるSNS投稿から火がつき撮影スポットとしても注目されており、テレビ等の撮影に使われることも最近になって増えてきました。
せっかくですからとっておきの映える写真に挑戦していただきたいです。
海と空と白い砂浜だけなので、どこをとっても映えますが、南国らしいビビットな色の水着やパレオはより写真映えするのでおすすめです。
また、南国の花やガラス瓶などの小物を持参するのもいいかもしれません。
サンゴのかけらは見つかる可能性が高いですが、貝殻の現地調達はあまり期待しないほうがいいでしょう。
撮影用マーメイドスーツの貸し出しという、ユニークなサービスがあるショップもありますのでぜひ。
防水のカメラであれば、半分水面、半分水中の写真というもおもしろいものも撮影できます。
波打ち際近くにはあまり魚の姿は見られないかもしれませんが、水中を覗くと波が刻んだ砂の文様がどこまでも続き、果てしない砂漠のような景色を見ることができます。
水中カメラがあれば、ぜひ写真に残しておきたい静かで神秘的な海の風景です。
幻の島のビーチは浅瀬がかなり広いので、小さいお子様連れのファミリーでも安心して海遊びができます。ビーチで美しい海の色と絶景を眺めながらのんびり過ごすのもおすすめです。
シュノーケリングやダイビングをするには、幻の島から船で離れたポイントまで行きます。
ツアーそれぞれのガイドによる説明・指導がしっかりあるので、初心者の方でも安心して楽しむことができます。
行く前に準備しておきたいのは?
幻の島に行く際には、水着やウエットスーツといった、基本的に濡れても良い格好がいいでしょう。
ウエットスーツはマリンショップで貸し出しがあります。
着替えるタイミングはツアーのマリンショップによって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
宿泊先送迎で船に直行する場合は、宿であらかじめ水着に着替えて出発します。
ショップや船に着替える場所があることもあります。
また、荷物をまとめられる防水のマリンバッグがあると非常に便利です。
日よけのパラソルやビーチマットなどはショップで準備されていることが多いですが、タオルや飲み物は確認が必要です。
ごみを出さないという目的から、食べ物や飲み物などを持ち込むのを制限されるケースもあります。
日焼け止めや日よけの上着、サングラスなど個人的に必要なものの準備も忘れないようにしましょう。
水中カメラを無料貸し出しするショップもあるようです。持ち物については事前にしっかり確認しておくと安心ですね。
逆に、帰る際には忘れ物に十分注意しましょう。
数時間後には海の底に沈んでしまい、次に幻の島が現れた時にまだそこにある保証はありません。
さすがにWi-Fiは通じませんが、石垣島と西表島の間の海域ではほとんどの携帯が通じるようになっています。